農業・環境・食品関連トピックス

農業・環境・食品等に関する気になる話題を取り上げます。

この木なんの木?ハワイでよく見る植物の多くは外来種

ハワイでよく見かける南国情緒のある花や木、ハイビスカス、プルメリアブーゲンビレア、コーヒー、マカダミアなどはいずれも外来植物です。特に観賞用の植物はリゾート地を美しく飾るために他国から持ち込まれたものです。

この木なんの木?それはモンキーポッド

「日立の樹」
日本では「日立の樹」として知られる、
ハワイ・オアフ島のモアナルアガーデンパーク内にあるモンキーポッドアメリネムノキ)の大樹。
日本人しか見に来ないという観光スポット(?)
ハワイには、公園、庭、林などにこの種の木が多数あり、思いのほかCMのイメージほど珍しくない。

モンキーポッドの花
CMの歌では「見たこともない花が咲くでしょう」というが、花の形は日本のネムノキに似ている。
年に2回、5月と11月の頃、開花する。花の色はだいたいピンクだが、白っぽいものもある。

「本来の分布はメキシコからペルー、ブラジルにかけてであるが、広く熱帯と亜熱帯の各地に移植されて帰化している。米国ハワイ州では侵略的外来種に指定されている。」

実は、ハワイで見かける植物の大半は外来種

ハワイの植物イメージといえば、ハイビスカス、プルメリアブーゲンビレアなどが思い浮かぶことでしょう。しかし、これらはいずれも外来の植物です。
 18世紀初頭から今日に至るまで、ハワイ諸島には2万を超える外来種が持ち込まれました。これに対してハワイ固有の植物は1000種ほどにすぎません。したがって今日、私たちが都会やその周辺地域で目にする植物の大半は外来の植物なのです。
出典 外来植物とは|アロハプログラム(Aloha Program)
外来植物のなかには在来の植物を駆逐してしまう有害な植物がいくつもあります。そのため、ハワイ州ではそのような植物を有害指定し、法律を施行して排除に努めています。しかし原生自然を破壊するスピードは速く、対応が追いついていないのが現状です。
出典 外来植物とは|アロハプログラム(Aloha Program)


南の島といえば、ハイビスカス

一般には、アオイ科フヨウ属(Hibiscus)のブッソウゲや近縁の野生種を掛け合わせて作られた園芸品種を総称して「ハイビスカス」とよばれる。
観光地などのハイビスカスはほぼ外来の園芸品種。
一方、ハワイにはフヨウ属の固有種が7種あり、特に「ハワイアン・ハイビスカス」とよばれる。

ブッソウゲ - Wikipedia

Hawaiian hibiscus - Wikipedia, the free encyclopedia

ハワイ固有種のイエローハイビスカス Hibiscus brackenridgei
ハワイ語で"Maʻo hau hele"(マオ・ハウ・ヘレ)
「ハワイアン・ハイビスカス」7種のうち、この種の黄色い花はハワイの州花に定められている。

 

レイの花、プルメリア

キョウチクトウ科プルメリア(Plumeria)属の常緑小低木
写真は、Plumeria obtusaの園芸品種"Dwarf Singapore White"

シンガポール・ホワイト
"Singapore White"は、
Plumeria obtusaの代表的な園芸品種。
花の色が全体に白く、中心部が黄色い。
ハワイでは「レイ」などの装飾品や飾りのために、通年栽培されている。

インドソケイ - Wikipedia
Plumeria rubraの花の色は品種によって、白、黄色、ピンク、レインボーカラーなど様々。

 

街を鮮やかに彩る、ブーゲンビリア

色づいた花びらに見える部分は、実際は葉(包葉)であり、通常3枚か6枚ある。本当の花は、包葉の中央部にある小さな3つの白い部分である。

ブーゲンビリア - Wikipedia
日本でも、霜が降らない暖地であれば露地植えで育てられる。

 

定番のおみやげ、マカダミア・ナッツ

マカダミア - Wikipedia
「1892年にハワイ王国に持ち込まれて商業栽培の歴史が始まった。」
「1950年代末までに作付け面積でパイナップル、コーヒー、サトウキビなどを抜いて1位となり、ハワイの代表的な農産品としての基盤が確立された。」「上記と同時期には日系アメリカ人のマモル・タキタニがマカダミアナッツとチョコレートの相性が良いことに注目し、ナッツをチョコレートで包んだものを製品化してみると爆発的な人気を呼んだ。」

 

「幸福の木」、実はハワイと無関係?

幸福の木(ドラセナ マッサンゲアナ)
Dracaena fragrans cv.'Massangeana'
日本で特に人気のある鉢植え観葉植物の一つ
葉の中央部に黄色いストライプが入るのが特徴
原産地は、熱帯アフリカ。
「幸福の木は、ハワイの代表樹で別名で「ハワイアン・ティー」とも呼ばれ「幸福を呼ぶ木」という意味もある」と言われたりするが・・
余談だが、某NHKドラマがブームになる以前、園芸で「マッサン」といえばこの木のことだった。

由来はハワイでの Good Luck Plant にあるようですが、実は、幸福の木として売られているドラセナ・マッサンゲアナとは別の植物を指すらしい。
元々のコルディリネ属の木が、ドラセナと呼ばれることがある、ということと、ドラセナ属が育てやすいことから、今日のような広まり方をしたらしいです。
出典 "幸福の木"と言う名前のルーツについて。 幸福の木はいつから"幸… - 人力検索はてな

本来のGood Luck Plant(ハワイ語で"Ti"または"Kī")は「ハワイでは古来から伝わる儀式やフラダンスの腰みのに利用され、縁起のよい幸福な植物とされています」とのこと。
なお、ドラセナ属やコルディリネ属には観葉植物として色とりどりの園芸品種(多くは外来)があり、いずれもハワイの観光地に数多く植えられている。

本来のGood Luck Plant (Ti:ティ)
Cordyline fruticosa
ハワイの伝統植物(ポリネシアン移入種)であり、今も民家やビルの庭などによく植えられている。

 

参考リンク

この木なんの木 (日立グループCMソング 日立の樹) - Single

この木なんの木 (日立グループCMソング 日立の樹) - Single

  • 発売日: 2015/09/23
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

HAWAIIAN FLOWERS

 

花と植物 | アヌヘア:ハワイの花・植物・野鳥図鑑 | Plants and Flowers of Hawaii
写真は、ハワイ固有種のイエローハイビスカス。

 

植物の体系のテキストページ|アロハプログラム
ハワイの文化や自然に関する無料インターネット講座より。
ハワイ諸島で見られる植物の、固有植物、伝統植物、外来植物について解説。

 

昔、水田だったワイキキ。ビーチは人工的に作られ、砂は輸入していた! - NAVER まとめ
「ワイキキ・ビーチにはもともと砂浜はなく、1920年代から1930年代にかけて、オアフ島北部のノースショア、カリフォルニア州のマンハッタンビーチから白砂を運んで作られた人工の砂浜である。」「波で砂が持っていかれてしまうので、定期的に白い砂を運んできて注ぎ足してます。」
ハワイのリゾート環境は、ほぼすべて人工的なもの。


2021/1/18 更新 2020/9/30 NAVERまとめから移行