「虫」は、日本語で日常的に使われる言葉であり、日本人は「虫」という生物の概念を経験的に形作っています。「虫」に明確な定義はありませんが、生物の名前(和名)には「~ムシ」や「~チュウ」とつくものが多くあります。「虫」といえる生物は何か、考えてみます。
「虫」「蟲」「ムシ」
日本語の虫(むし)の概念は時代や個人による差もあるが、今日では主に水中以外の節足動物を指し、広義には獣・鳥・魚類以外の小動物全般を指す。
出典 虫 - Wikipedia
蟲という漢字は、元は「生物全般」を示す文字であり、こちらが本来「チュウ」と読む文字である。
出典 虫 - Wikipedia
「かなり早い時期から画数の多い「蟲」の略字として「虫」が使われるようになり、本来別字源の「虫」と混用される過程で「蟲」本来の生物全般を指す意味合いは失われていき、発音ももっぱら「チュウ」とされるようになり、意味合いも本来の「虫」と混化してヘビ類ないしそれよりも小さい小動物に対して用いる文字へと変化していった。」
虫という漢字の由来は、ヘビをかたどった象形文字で、本来はヘビ、特にマムシに代表される毒を持ったヘビを指した。読みは「キ」であって、「蟲」とは明確に異なる文字であった。
出典 虫 - Wikipedia
昆虫 - Wikipedia
「虫」の代表格は、やはり昆虫類。あたり前田のクラッカー!!
「虫」といえそうな昆虫以外の身近な生物
ここから下は、早くも「閲覧注意」な生物ばかり(?)
ダンゴムシ - Wikipedia
国内どこでもごく普通に見られる「オカダンゴムシ」は、欧州原産の外来種。
だいたい「虫」~少し微妙?な生物
カタツムリ - Wikipedia
「デンデンムシ」とも呼ばれる。殻のないものがいわゆる「ナメクジ」。
ミミズ - Wikipedia
節足動物のように足がなくても、カタツムリ、ナメクジ、ミミズは「虫」っぽい。
多毛類 - Wikipedia(ゴカイ類)
ゴカイ類には「~ムシ」という和名の種もある。水中に住む生物だが「虫」っぽい。
緩歩動物 - Wikipedia(クマムシ)
肉眼ではよく見えないほど小さいが、顕微鏡で見た姿は確かに「虫」。
ダイオウグソクムシ - Wikipedia
深海に生息しており、かなり大型。それでも甲殻類というより、まさに「虫」。
寄生虫には「~ムシ」「~チュウ」という名の種が多い
寄生虫の語には「虫」の字が当てられ、本項冒頭の’広義の虫’に相当する様々な種類の生物が含まれる(節足動物はむしろ少数例である
出典 虫 - Wikipedia
「寄生虫」は虫(ムシ)の字は付くが「ムシ」概念とは違う、ほぼ独立した概念といえる。
サナダムシ - Wikipedia
扁形動物門 条虫綱
回虫 - Wikipedia
線形動物門 双腺綱 カイチュウ目
ギョウチュウ - Wikipedia
日本の学校でのギョウチュウ検査は、一部地域を除き、平成27年度(2015年度)限りで廃止。
ハリガネムシ - Wikipedia
カマキリ、バッタ、カマドウマ、コオロギなどの昆虫類の寄生虫として知られる。
フクロムシ - Wikipedia
「フクロムシ類の成体は、すべての体節構造と付属肢が退化しており、とても節足動物とは思えない外見を持つ」
三尸 - Wikipedia
これらは架空の存在だが、古くは体内にいるとされる生き物を「虫」と呼んでいた。
なんとなく「~ムシ」と名の付く水生生物
プラナリア - Wikipedia(ウズムシ)
「体表に繊毛があり、この繊毛の運動によって渦ができることからウズムシと呼ばれる。」
輪形動物 - Wikipedia(ワムシ)
ヒモムシ、ワムシ、ホシムシなどは門レベルの総称。大ざっぱなくくりに「ムシ」概念は重宝?
ミドリムシ - Wikipedia
ミドリムシに至っては、動くという性質はあるものの「動物」ですらない。
漢字で「虫へん」のつく動物
爬虫類 - Wikipedia
は虫類という呼び名に、かつての「ムシ」概念が残っている。
ニホンマムシ - Wikipedia(まむし:蝮)
「まむし」という名前は、日本で蛇類が「ムシ」に含まれていたことの名残といえる。
トカゲ - Wikipedia(蜥蜴)
「蜥蜴」は、日本語ではふつう音読みせずに「とかげ」とだけ読む。
虹蛇 - Wikipedia
「漢字の「虹」が虫偏であるのも、中国の伝説において虹が竜の一種とみなされていたからである。また主虹である「虹」を雄とし、副虹たる雌を「蜺」(ゲイ)と呼んだ。」
ハマグリ - Wikipedia(蛤)
トリビア「ぐれるとは不良になることで、前述の「ぐれはま」を略したものに名詞を動詞化する接尾語「る」をつけたもの」
ファンタジーの「虫」
風の谷のナウシカ:虫図鑑 |ジブリ博物館
虫を語るならこの作品は外せない。まさに、虫(蟲)のイメージ全開!
このページでは、オーム(王蟲)、ウシアブ(翅蟲)、大王ヤンマ(翅蟲)、ヘビケラ(翅蟲)、ミノネズミ(地蟲)を紹介。
なお、主人公ナウシカのモデルは、堤中納言物語に登場する「虫愛づる姫君」といわれる。
『風の谷のナウシカ』、王蟲の魅力!ただの気持ち悪い虫じゃない! | Ciatr[シアター]
変身 (カフカ) - Wikipedia
「特撮ヒーロー番組『仮面ライダー』で、主人公が人間からヒーローキャラクターに姿を変えることを「変身」と呼ぶのは、本作品の題名に由来する」とのこと。虫に変身・・したくない。。
話題になった「~ムシ」
まるでエイリアン! 韓国で大発生する新種の軟体生物が日本上陸、生態系破壊の可能性も - 社会 - ニュース|週プレNEWS
ネットで話題になった鮮やかな緑色の「ミドリヒモムシ」など、ヒモムシ(紐形動物)の解説。
クマムシが毎日新聞で取り上げられました - むしブロ
クマムシ博士と「あったかいんだからぁ」でブレイクした芸人のクマムシとの謎のコラボ。
「ミドリムシ」が地球を救う!栄養豊富すぎるスーパーフード | FUTURUS(フトゥールス)
株式会社ユーグレナが進めている「ミドリムシ」ビジネス。
参考リンク
もともと日本にはいなかったなんて!身近すぎる外来生物
オカダンゴムシ、チャバネゴキブリ、チャコウラナメクジなどは、実は外来生物。
2023/10/25 更新